Aloe vaotsanda(アロエ・ヴァオツァンダ)
学名
Aloe vaotsanda Decary
出典: Bull. Econ. Madag. 18: 23 (1921)
分布
マダガスカル南部のトリアラ州、アンボボンベ南部からアンドロカ付近にかけての狭い沿岸帯にのみ分布しています。海岸からわずか10〜20km以内のエリアに限られ、標高100mまでの石灰岩が露出する乾燥したブッシュ(灌木帯)や砂地に生育しています。
形態
単幹(一本の幹)で直立し、高さは最大4m、幹の太さは15cmほどに達する大型の樹状アロエです。幹には古い枯れた葉が残る性質があり、厳しい環境を生き抜く力強い姿を見せます。
葉
30〜40枚の葉が密なロゼットを形成します。葉は長さ約100cm、幅15cmと非常に大きく、先端に向かって細くなります。最大の特徴は、葉が強く後方(下向き)に湾曲し、幹に寄り添うように垂れ下がる独特の形状です。葉色は緑色ですが、日光の影響で赤みを帯びることがあります。葉縁には約5〜6mmの鋭い歯が並びます。
花
花茎の高さは約50cmで、多数の枝分かれを持つ円錐状の花序を形成します。花は鮮やかな橙黄色(オレンジイエロー)で、ひとつの花穂に50〜70個の花がやや片側に寄って密に咲きます。つぼみの段階では花穂が下を向いていますが、開花が進むにつれて斜めに硬直して立ち上がるという、興味深い性質を持っています。
その他
【栽培アドバイス】
海岸近くの石灰岩地帯に自生しているため、極めて水はけの良い用土と、強い日光を好みます。マダガスカル南部のアロエの中でも特に乾燥に強く、低地原産のため寒さにはやや敏感です。冬場は明るく暖かい場所で管理し、蒸れに注意してください。自生地の環境(標高100m以下)を考えると、温暖な環境を維持することで、特徴的な垂れ下がる葉を美しく展開させることができます。
【豆知識と識別ポイント】
近縁の Aloe vaombe に似ていますが、本種(A. vaotsanda)の方が葉がより長く、より強く下向きに曲がることで区別できます。また、地域によって葉色にバリエーションがあり、タウランニャロ周辺には青みがかった葉を持つ個体が存在します。種小名の「vaotsanda」は、マダガスカルでの現地名に由来しています。
引用元:
・Plants of the World Online (POWO) / Royal Botanic Gardens, Kew
・”Aloes: The Definitive Guide” (Scientific data synthesis)
・Decary (1921) “Bulletin Économique de Madagascar”
