Aloe sinana(アロエ・シナナ)
学名
Aloe sinana Reynolds
出典: J. S. Afr. Bot. 23: 3 (1957)
分布
エチオピアのショア州、デブレ・シナ(Debre Sina)の北東部にのみ限定的に分布しています。標高1,410〜1,950mという高地の山腹に自生する、エチオピアの固有種です。
形態
基部から枝分かれし、直立または斜めに広がる茎を持ち、高さは最大100cmほどに達します。茎の下部には20cmほどにわたって古い枯れ葉が残る性質があり、高山植物らしいワイルドな風貌が魅力です。樹液は乾燥すると濃い茶色に変化します。
葉
12〜16枚の葉がロゼット状に展開します。葉の長さは60〜70cm、幅10〜13cmと立派なサイズで、色は美しい灰緑色です。最大の特徴は葉の基部付近に見られる淡緑色の楕円形の斑点で、特に葉の裏面に多く現れる傾向があります。葉縁には赤みを帯びた鋭い赤褐色の棘が並びます。
花
高さ約100cmに達する花茎を伸ばし、4〜7本ほどに枝分かれします。花は鮮やかな橙赤色で、先端(口部)に向かって色が淡くなります。本種の最大の見どころは、**「水平に広がる花柄に対して、花が下向きに垂れ下がる」**という独特の咲き姿です。この特徴により、他のアロエにはない非常に優雅な雰囲気を醸し出します。
その他
【栽培アドバイス】
標高1,400m以上の山腹に自生しているため、風通しの良い、涼しく明るい環境を好みます。排水性の良い用土を使用し、根の通気性を確保することが重要です。高地原産のため、日本の高温多湿な夏場は遮光や風通しの工夫をして涼しく管理してあげると機嫌よく育ちます。日光をしっかり当てることで、葉の灰緑色と赤い棘のコントラストが鮮明になります。
【豆知識と識別ポイント】
人気種の Aloe camperi(アロエ・カンペリー)と近縁ですが、本種の方が花序の枝分かれが少なく、ひとつひとつの花が長い点で見分けることができます。何より、総状花序の中で花が下向きに並ぶ独特の構造は、本種を特定する大きな手がかりになります。種小名の「sinana」は、産地であるエチオピアのデブレ・シナに由来しています。
参考文献
- Plants of the World Online (POWO) / Royal Botanic Gardens, Kew
- “Aloes: The Definitive Guide” (Scientific data synthesis)
- Reynolds, G.W. (1957) “Journal of South African Botany”
