Aloe forbesii(アロエ・フォルベシー)
学名
Aloe forbesii Balf.f.
出典: Balfour f., Forbes, Nat. Hist. Socotra & Abd al Kuri: 511, tab. 26B (1903)
分布
イエメンのソコトラ島、中央ハゲール(Haggeher)山脈の限られたエリア(アド・デマル峠付近)にのみ自生する固有種です。標高約900m付近の、湿潤で霧が発生しやすい花崗岩の岩場に生息しています。
形態
小型の多肉植物で、基部から多くの子株を出して密な群落を形成するのが特徴です。茎は直立または地面を這うように伸び、長さは10〜15cmほど、太さは1cm前後に達します。ソコトラ島のアロエの中でも特に繊細な美しさを持つ種の一つです。
葉
1つのロゼットに8〜12枚ほどの葉をつけます。葉は鮮やかな明るい緑色で、長さ8〜12cm、幅は約2cmの細長い三角形をしています。葉の表皮が非常に薄いのがこの種最大の特徴で、質感は滑らかです。葉の縁には、白く柔らかい小さな棘(約1mm)が、3〜5mmほどの間隔で並びます。
花
高さ15〜20cmほどの直立した花茎を伸ばし、枝分かれしないシンプルな総状花序を作ります。花は美しい珊瑚赤色(コーラルレッド)で、開花が進むと口部が黄色に変化します。花の長さは12〜18mmほどで、下向きに咲く姿が愛らしい品種です。主な開花期は冬から春にかけてです。
その他
【栽培アドバイス】
自生地がソコトラ島の中でも最も湿潤な雲霧林に近い環境であるため、極端な乾燥と直射日光による高温には注意が必要です。アロエの中では葉の表皮が非常に薄く、乾燥耐性はそれほど高くありません。栽培下では、水はけの良い用土を使用しつつ、適度な湿度と風通しを確保するのがポイントです。気温は13〜32℃程度を好み、霧吹きなどで空気中の湿度を補ってあげると、自生地に近い環境を再現しやすくなります。
【歴史と名称の由来】
種小名の「forbesii」は、19世紀末にソコトラ諸島を探検したスコットランドの博物学者ヘンリー・フォーブスにちなんでいます。長らく他の種(A. perryi)との混同がありましたが、1960年代の再発見によりその固有の個性が改めて確認されました。現在ではその魅力から、世界中の愛好家の間で大切に育てられています。
引用元:
・Plants of the World Online (POWO) / Royal Botanic Gardens, Kew
・Balfour f. (1903) “Natural History of Socotra and Abd-el-Kuri”
・”Aloes: The Definitive Guide” (Scientific data synthesis)
